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役員(取締役)さん!大丈夫ですか?

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中小企業を相手にしていると、大丈夫かなと心配してしまうことがまれにある。役員がその役割を自覚していない場面に遭遇することも、そのひとつだ。「代表取締役社長」「専務取締役」「常務取締役」等々、肩書は立派なのだが、自らのミッションが全くわかっていない「役員さん」も少なくない。ということで今回は、役員(取締役)の法的立場を深めていこう。

役員(取締役)とは?

取締役と聞けば、会社を代表して従業員の先頭に立っていろいろな業務を執行したり、取引先と交渉・契約をしたりする人、と思っている人が多いのではなかろうか。しかしながら、本来に取締役には、会社法上、次のような権限が付与されているのだ。
  ①会社の業務執行についての意思決定をすること(決定機能)
  ②会社の業務執行を監督すること(監督機能)
①は、会社の重要な業務執行の意思決定は、取締役会の過半数の賛成で行われるということであり、②は、代表取締役や業務執行取締役が日常的に行っている「業務執行の実行」や「業務執行の意思決定」が法令に違反していないか、などを監督する権限のことである。

これら以外に、会社には「執行機能」や「監査機能」が必要であるが、一般的に前者は、社長、専務、常務といった業務執行権限を併せ持った取締役が担い、後者は、監査委員会や監査役が担うこととされている。このように取締役の本来の権能が、世間の理解とは異なるのがおわかりいただけるだろうか。

取締役・従業員の会社との契約関係

取締役と一般従業員では、会社との契約形態が根本的に異なる。従業員との間で結ばれるのは「雇用契約」(民法623条)であるが、これは労働契約法では「労働契約」(労働契約法6条)と呼ばれ、いずれにおいても従業員が会社の指揮命令に従って労働力を提供し、その対価を賃金として受け取る双務契約である。

一方、会社と取締役との間に締結されるのは「委任契約」(民法643条及び会社法330条)である。それによると、当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方(受任者)がこれを承諾することを内容とする契約である。会社と取締役の関係に置き換えれば、「会社が経営の専門家である取締役に会社の経営を委ね、取締役はこれを受任」したことにほかならない。つまり、取締役へ就任するということは、会社の経営に関して、プロとしての重責を担うということなのである。

また、この委任契約には、受任者としての義務が課されている。「善良なる管理者の注意義務」(民法644条)である。取締役は、経営の専門家として、その会社の規模、業種等のもとで通常期待される注意義務をもって、職務を遂行しなければならないのである。

もし、会社経営に携わる専門家として、注意不足があり、それを原因として損害が発生したときは、会社に対して損害賠償しなければならない。一般の従業員とは異なり、取締役には、その職務や地位に値するだけの高度な注意力が要求されるわけだ。

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