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カジノ法成立で日本はどうなる

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観光立国日本を後押しする!?

観光立国日本を後押しする!?

 昨年12月、統合型リゾート推進法が成立した。いわゆるカジノ法案だ。
 統合型リゾート(Integrated Resort 略称IR)とは、カジノを中心に、ホテル、ショッピングセンター、フードコート、アトラクションなどを併設する総合リゾート施設のこと。カジノが合法化されているのは約130ヵ国だが、IRのある場所としてはラスベガス、マカオ、シンガポールなどが有名だ。
 ちなみに、カジノの形態としては、ほかにホテルや温泉地の建築物内などに造られた小規模なものもあり、モナコのモンテカルロ、イタリアのヴェネチア、フランスのニースなどが知られている。さらに、アメリカのロサンゼルスに点在するポーカー主体のテーブルゲームカジノ場のような形態のものもある。
 しかし、この法律により、すぐにカジノができるわけではない。今年は、法案審議の過程で問題となったギャンブル依存症防止を盛り込んだIR実施法案やIR誘致公募ガイドラインなどの策定が予定されている。そして、IR実施法案の審議・可決後、IR誘致公募ガイドラインに沿って地方公共団体の公募・選定が行われ、さらに地方自治体による民間事業者選定、国による事業者の適格性審査・運営ライセンス供与があり、ようやく、事業者による施設開発・建設ということになる。
 そのため、実際にIRが誕生するのは東京オリンピックが開催される2020年以降とみられている。試験的に1~2カ所で運営して、将来的には10カ所程度になるようだ。

懸念材料もいろいろ

 当然だが、カジノにはメリット・デメリットがある。メリットとしては、やはり、経済効果だ。アメリカのカジノ運営大手、MGMリゾーツ・インターナショナルのジェームス・ムーレン会長・最高経営責任者(CEO)は、日本にIRが開業できれば、その際にMGMの投資規模は最大1兆円になる可能性があるとの見解を示している。ムーレン氏は、大都市型と地方都市型の2種類のうち、MGMとしては大都市型にフォーカスを当てていて、投資規模は「5,000億円から1兆円になるだろう」と述べたのだ。
 また「MGM単体でも全額を確保できるが、運営には日本企業との提携が重要で、彼らも出資をしたいだろう」として、日本企業との提携に前向きな姿勢を示している。ちなみに地方都市型の場合なら、投資規模は1,000億~3,000億円になるだろうとのことだ。
 また、2013年夏に米シティグループが発表した試算によると、東京・大阪・沖縄の3都市にカジノリゾートができた場合、東京オリンピックが開かれる2020年には日本がマカオに次ぐ世界第2位のカジノ大国になり、市場規模は推計1兆5000億円にもなるという。先に触れたように、IRのオープンは東京オリンピック以降になりそうだが、それでもかなりの巨大市場になりそうだ。

 政府は、外国人観光客を2020年までに4000万人、2030年までに6000万人にする観光立国政策を掲げているが、IRがそれを後押しする存在になるのも間違いない。周辺の地域に及ぼす経済効果も相当なものになるだろう。
 しかし、良いことばかりではない。懸念材料としてあげられているのはギャンブル依存症や周辺地域の治安悪化だ。
 パチンコに夢中になった親が炎天下の自動車のなかに幼い子供を放ったらかしにしたといった事件はよく聞く。ギャンブルは、人によってはわが子の命すら忘れさせる存在といえるのだ。夢中になって破産する人も出てくるかもしれない。
 また、海外の人たちも大勢やってくることが考えられる。考え方の違いや習慣の違いに、ギャンブル特有の高揚感が加わり、大きな事件が発生する可能性も考えられる。まだまだ、解決しなくてはならない課題は山積みだ。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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