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アレン曲線

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米国マサチューセッツ工科大学(MIT)のトーマス・J・アレンは1977年に刊行した『テクノロジーの流れを管理する(Managing the Flow of Technology)』(未訳)のなかで、技術者のコミュニケーションの頻度と物理的な距離には強力な負の相関関係があることを計測により発見し、グラフで示した。これが「アレン曲線」と呼ばれるものだ。

「アレン曲線」によると、自分から6フィート(約1.83メートル)離れた席の相手と60フィート(約18.3メートル)離れた席の相手とでは、前者の方が定期的にコミュニケーションをする確率が4倍高い。さらに、別の階や別の建物で働く同僚とのコミュニケーションの確率はほぼ皆無だった。コミュニケーションの量は物理的な距離に反比例するということだ。

今日ではメール、スカイプ、テレビ会議など様々な手段でコニュニケーションをとることが可能となり、距離に関係なく誰とでも密にコミュニケーションがとれるので、アレンが提唱したコニュニケーションと距離の相関関係は失われたように思われる。ところが、2015年3月号の「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー」において、そう考えるのは誤りであるという記事が掲載された。

MITメディアラボのベン・ウェイバーの研究によると、「対面のコミュニケーションとデジタル・コミュニケーションのどちらも、アレン曲線に従うことがわかった」というのだ。また、別の研究によると、物理的に同じオフィスで働いているエンジニアは、別々の場所で働いているエンジニアと比べて、デジタル・ツールでも連絡を取り合う確率が20%高く、緊密なコラボレーションが必要な場面では、同じオフィスのエンジニアがeメールをやりとりする頻度は、オフィスが異なる場合の4倍だったという。

Googleの元CEOエリック・シュミットらは『How Google Works』の中で「Googleのオフィスでは、メンバー同士が密集したスペースで一日中会話をし合っているからこそ、イノベーションが生まれる」と語っている。距離を縮めるテクノロジーが普及するにつれ、対面コミュニケーションの重要性が増しているという事実は興味深い。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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