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AI関連プロジェクト推進、AI人材獲得はなぜうまくいかないのか 優秀なAI人材はシェアする~アビリティシェアリングの時代へ

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AI開発コンペティションを通じてアビリティシェアリングを実現

AI開発コンペティションを通じてアビリティシェアリングを実現

寺澤 貴社は「AI開発コンペティション」=SIGNATEという仕組みを通じて、AIプロジェクト推進の支援とAI人材獲得の支援を行っていますね。その仕組みをご説明ください。

夏井 現在弊社は、9,000人以上のデータサイエンティストが会員登録している日本最大規模のデータベースを有しています。そのうちの7割は、企業や研究機関などで活躍している社会人で、残りの3割は東大をはじめとする上位校の学生となっています。こうした登録会員に対してAI開発ニーズを持つ企業がコンペティションを開催し、応募されたAIのアルゴリズム(解法)は、その精度がランキングとなり、可視化されるという仕組みです。参加者は応募期間中なら何度でもチャレンジできるため、自ずと精度が高まっていくのが特徴です。募集した企業はランキング最上位の開発者に賞金を与え、その所有権を譲渡してもらうことで、効率的に精度の高いAIアルゴリズムを獲得することができます。

寺澤 なるほど。コンペティションで得られたものの所有権は募集企業に移るとは、外部のデータサイエンティストにAIのプロジェクトを委託しているようなものですね。

夏井 その通りです。データサイエンティストが圧倒的に不足している今、トップレベルの才能を一企業だけが囲い込むのではなく、いかに多くの企業でシェアできるかが重要です。私たちはこうした考え方を「アビリティシェアリング」と呼んでいます。副業やフリーランス、テレワークなど個人で仕事をする手段も増え、会社の形態も多様になってきました。そんな個の時代において、優秀な人が正当な報酬を受けて能力を活用する機会に恵まれ、企業は優秀な人の才能をシェアできるというのは両者にとって利点があり、また生産性向上にも大きく寄与するものだと感じます。
開発から人材の発掘・採用・育成支援まで AI開発・データ分析の各フェーズに横たわる課題

開発から人材の発掘・採用・育成支援まで AI開発・データ分析の各フェーズに横たわる課題

寺澤 AI開発やデータ分析に関しては、さまざまなベンダーやサービスがありますが、そうした中でSIGNATEの優位性やメリットは何なのでしょうか?

夏井 もし企業がデータサイエンティストを必要とした場合、新たに採用するか、自社で育成するか、ベンダーに依頼するか、この3択しかありません。しかし、仮にベンダーに丸投げした場合、ベンチマークがないため、そのAI製品や分析精度が良いのか悪いのか、比較できないですよね。一方、コンペティションを活用すれば、応募のあったデータの精度が可視化され、ランキングも出るので、納得感が得られるでしょう。さらにコンペで優秀な人材と出会えたら、採用を打診したり、ハイエンドなクラウドソーシングとして依頼したりすることも可能です。その人は、自社の案件に興味を持ってくれて、さらに課題を解決するためのアイデアや能力も持っているわけですから、採用の枠があるなら打診しない手はありません。履歴書や面接だけではデータサイエンティストとしての能力を知ることはできませんが、実力が可視化されたコンペなら、リクルーティング活動にも大いに役立ちます。

寺澤 一方で近頃は、社内でデータサイエンティスト人材を育成したいという企業も増えているのでは?

夏井 おっしゃる通り、弊社にもそういった問い合わせは増えています。しかし、そのためにはまず、社内にAIを理解する人材を育成し、また経営陣もAIを理解することによって、経営目線でAIの活用法を検討できる体制を作ることが必要です。その場合にも、コンペティションは有効なソリューションになります。
コンペティションに入るまでには、いくつかのフェーズがありますが、第一段階として、まず社内課題を洗い出していただきます。データ分析はそれ自体が目的ではなく、課題ありきです。どのような課題があるのか、その課題を解決するためには何が必要か、さらにアルゴリズムを作るにあたってのデータは何をどう取ればよいかを検討する。そして充分なデータを出していただき、我々がプロトタイプを作る。ここまでの一連のプロセスは我々とお客様が一緒になって考えることになりますから、結果的に社内に知見が残るわけです。こうしたコンペの準備から本開発に入るまでの期間は、ある種の研修期間とも捉えることができ、私たちはこれをPBL(Problem-Based Learning)として活用できると考えています。社内プロジェクトを立ち上げる能力やデータの目利き力などを養うことができ、AI人材の中でも特に重要なプロデューサーの育成などに繋げています。
 このように弊社は、AIの開発・活用から、データサイエンティストやAIエンジニアの発掘・採用・育成支援まで、AIの総合的なソリューションを提供。その点が最大の強みであり、他に類のないポイントだと考えています。

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