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自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80

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『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』(池谷 裕二 著/講談社ブルーバックス)

 本書は思考や判断のクセである「認知バイアス」を、クイズ形式で80項目紹介したものだ。その中には、ビジネスにも役立ちそうなものがかなりある。
 例えば、ケース1の「大は小を兼ねる」。設問はデパートの試食販売コーナーでジャムを売る場合、①6種類のジャムと②24種類のジャムを売るブースでは、どちらのブースの売上が多かったかというものだ。答えは①の6種類。
 脳が同時に処理できる情報量は有限で、許容量を超えると選択すること自体をやめてしまう。それを専門用語で「選択肢過多効果(Choice Overload Effect)」と呼ぶのだという。
 あるいは、ケース4「候補生は将校の夢を見るか」。陸軍士官学校に所属する候補生に志望動機を訊いた。10年後により出世していたのは、どちらの理由を挙げた人かという問題。①は技能や素養を身につけ、将来は将校になって国のために貢献したい。②は軍隊そのものが楽しそうだから。答えは②。
 採用面接などでは、将来の明確な目標やビジョンがある人を評価しがちだが、好きだからやっている方が長続きするというのだ。「自分の行動に、目的や理念などを添えて理論武装する人ほど、長期的な結末はよくないものです」と著者は語る。つまり、仕事でも趣味でも「内発的動機づけ(Intrinsic Motivation)」が大事だということだ。このようにクイズを解くことで、「人は自分のクセに無自覚」であり、「最大の未知は自分自身なのだ」ということに気づかせてくれる。

 著者の池谷裕二氏は東京大学薬学部教授で、脳の一部位であり、記憶をつくる海馬の研究者だ。これまで糸井重里氏との対談本『海馬 脳は疲れない』など、一般人が読んでもよくわかる脳研究や心理学の本を多数執筆してきた。
 本書は新書ながら、細部まで徹底的に試行錯誤を重ね、起草から最終形に落ち着くまでに、実に5年を費やしたという力作である。
 ちなみに、ケース17「記憶力を強くする」には、英単語を覚えるのに効果的なのは、繰り返し確認テストを解いてみること、つまり出力が大事だと指摘している。クイズ形式の採用にもきちんとした科学的裏付けがあるのだ。
『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80』(池谷 裕二 著/講談社ブルーバックス)

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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