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第25回  「会長として仕事の75%近くは人事だった。」前ゼネラル・エレクトリック(GE)会長 ジャック・ウェルチ

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ゼネラル・エレクトリック(GE)は、ダウ平均株価(アメリカの代表的な株価指数)の構成銘柄のうち、1896年の開始以来、唯一残っている企業である。極めて長い間グローバルビジネスのトップクラスの地位を維持するためには、表面的な戦略ではなく、脈々と受け継がれてきた企業文化、伝統的な何かがあるに違いない。

よく知られていることだが、GEは誕生以来約120年間で、CEOはたった九人しかいない。平均すると、一人当たりの在籍年数は約13年となる。ジャック・ウェルチは20年間務め、現CEOのジェフリー・イメルトは15年になる。

「GE 世界基準の仕事術」(新潮社 安渕 聖司著)によると、GEは、(グローバル企業として)意外に思われるかもしれないが、極めて長期的な視点に立つ経営を行っている。しかも、特筆すべきは、すべて内部昇進人材という点である。これはアメリカの大企業の中で珍しい存在と言える。
名経営者と言われたジャック・ウェルチが遺産として残したのは、ずばり「人」だと思う、と安渕氏は語っている。
「現CEOのイメルトはもちろん、現在のシニアリーダーの多くもウェルチが育て、抜擢した人間である。」

そのウェルチ時代のDNAは、「変化していかなければいけない」ということだという。
「聖域を設けずに、その時代に合わせたビジネスを作っていくという教えを徹底的に受け、それを積極的に実行している。自分たちの現状をよく理解して、常に次を考えることができる人材こそ、ウェルチの最大の遺産」だと安渕氏は語る。

そのウェルチ氏が、CEO退任後に日本経済新聞の私の履歴書の最終回でこう語った。
「会長としての20年間、仕事の75%近くは人事だった。世界で最も頭が良くて、最も創造的で、最も競争心に富んだ人たちと一緒に仕事をしてきた。その多くは私よりも優れている。一緒に素晴らしい会社づくりができたことが私の誇りだ。」

ウェルチ氏の陰に隠れがちだが、イメルト氏も米同時テロや金融危機を乗り越え、事業構造の大胆な転換を図って業績を伸ばし、経営手腕を発揮している。
日本も内部昇格の経営者が多いという点では共通するが、変化を主導する経営者育成という点ではGEには遠く及ばないだろう。簡単に真似できるものではない。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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