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第275回  「先人の踏を求めず、求めしものを求む。」日経連 元名誉会長 桜田武

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 桜田氏は、1904年、広島県生まれ。東京帝国大学を卒業後、日清紡績(現・日清紡ホールディングス)に入社。1945年には社長に就任、同社を大きく成長させた。

 日経連が創設されると、総理事、代表常任理事を経て、1974年に会長に就任した。
 この前年、第4次中東戦争の勃発を受けて、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の6カ国が原油の大幅値上げを、さらにアラブ石油輸出国機構(OAPEC)が原油生産の段階的削減を発表。いわゆる第1次オイルショックが起こり、日本経済は大混乱に陥っていた。インフレが急速に進み、1974年には戦後初の実質マイナス成長を記録。高度成長期が終焉を迎えた。

 そんななか、桜田氏が行ったのが賃上げの抑制だ。当時、春闘のベースアップは1972年16%、1973年21.7%と高水準で推移していたが、マイナス成長に陥ったなかで高水準の賃上げを続ければ日本経済をさらに混乱させるのは確実だった。そこで労使に大幅な賃上げの自粛を求め、ベースアップに関するガイドラインを設定したのだった。その結果、賃上げ率は急速に低下、インフレも終息に向かった。

 掲出は先人が踏みしめた道・方法・先例などに答えを求めず、自分の信念に解決策を求めろという意味。それまでの常識に従えば、物価が上がれば売上げは拡大、賃金も上がるのが当然だった。しかし、その常識が通用しない事態が発生したのだ。先例に倣うのは安全策の1つだが、時にはかえって危険な道に踏み込むこともあり得る。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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