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【HRサミット2017/HRテクノロジーサミット2017講演録】第4次産業革命の下での働き方改革と人づくり革命

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現在、日本では、「働き方改革」と「人づくり革命」に大きな注目が集まっています。政府もこの2つの改革を、経済政策の中心的な課題として取り上げているほどです。そこで今回は、経済産業省 産業人材政策室 参事官 伊藤禎則氏をお招きし、実際どのような問題意識の下でこの議論がされているのか、そして今、政府ではどのような施策や方向性が検討され、また実施されているのか――これらについてお話しいただきました。

日本型雇用システムが変わろうとしている

長時間労働、年功序列、新卒一括採用、終身雇用といった、いわゆる旧来の「日本型雇用システム」が、今、変わろうとしています。しかし、雇用システムを「アメリカ型に変えよう!」、「ヨーロッパ型に変えよう!」などという問題意識で議論している人は、政府にはほとんどいません。そこにあるのは、現実問題として、旧来の日本型雇用システムの中のいくつかの要素が維持できなくなってきているのではないか、という問題意識です。

要素は主に3つあります。1つ目は、日本型雇用システムの最大の特徴とも言われている、職務の無限定性と長時間労働。日本には、上司に言われたことはすべて自分の仕事である、という考え方があります。これは国際的には非常に異例なことです。結果としていろいろな経験ができるなど良い面もあります。しかし、日本型雇用システムのもう一つの特徴であるチームで仕事することと相まって、労働時間がどうしても長くなってしまいがちです。これにより、他の個人や家庭にしわ寄せが起こり、人手不足の深刻化へとつながっていきます。

2つ目は、年功序列、新卒一括採用、終身雇用です。これにも、もちろんメリットはたくさんあります。新卒一括採用によって、これまで若年層の失業率が非常に低く抑えられてきました。これは日本型の雇用システムの良さの一つでしょう。しかし一方で、このメンバーシップに入れなかった人たち、つまり日本の労働市場の4割を占める非正規労働の人たちの一部は、なかなか能力開発を得る機会も与えられず、収入が上がらない、家庭も持つことができない…などの問題が出てきます。さらに、企業内で成長分野に人を移そうとしても、部門ごとに人が張りついてしまっているので、機動的な人材配置が難しくなります。

3つ目は、OJT依存。日本企業において人材育成といえば、やはりOJTです。それが有効だという事実はこれからも変わらないでしょう。ただ、第4次産業革命が進む中で、すべてのスキルを自社に閉じた形でトランスファーすることは、難しくなってきています。日本型雇用システムの申し子として成長してきた自動車メーカーですら、自動運転や人工知能といった分野の比重が高まるにつれ、自社で閉じた形では技術の伝承は難しくなってきました。では日本では、このOJTを補完する仕組みができているでしょうか。残念ながら、大学はその役割を果たしてきていません。そういう意味では、教育や人材育成を社会全体としてどのように強化していくか。こういったことも、働き方改革の大きなテーマとして、認識されています。これらすべてをひっくるめて、働き方改革の議論は始まっているのです。

人口減少と「第4次産業革命」の波、働き方改革「第2章」、人づくり革命~「1億総学び」時代…など、レポートはまだまだ続きます。

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