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ミドルの戦略的活用による組織活性(2/5)

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ミドルの半分が「期待されてない」と考えている

ミドルの半分が「期待されてない」と考えている

 リクルートワークス研究所で実施した調査を見てみると、「成長実感をもっている」と回答した割合は、若年層(20歳代前半)の55.6%に対して、ミドル(40~49歳)では44.5%。ミドルの人たちが成長してない、新しいことにチャレンジしてない、学んでないということが見えてきます。

 役職についていない40歳代(40~49歳)が約68%もあります。「上司が自分に期待してくれているか」という問いに対しては、40歳代では否定的な回答が18%、どちらともいえないが32% つまり半分の人たちが期待されてないと考えているわけです。ミドルの問題として、本当にこういうことが起きているとすれば、企業にとっては大きなロスになります。

 新入社員が入り、一生懸命に良い人材育成をして、それが40歳くらいになると約半分が「自分のキャリアは先が見えない、展望がもてない」と思ってしまう。また実際にそういう人たちを企業の中で十分に戦略的に使いきれてない状態が起きている。それは大きな人材のロスではないでしょうか。そういう人たちをきちんともっと使いこなせば、企業にとってある程度の成果を収めるということがあるのではないでしょうか?

心理学者のユングが呼ぶ「人生の正午」

 心理学者のユングが「人生の正午」と呼んでいるのが、だいたい40から42歳あたりで青年期から壮年期に移る時期です。人生全体の真ん中であり、40歳がキャリアの折り返し地点であるという考え方が日本の中ではあまりありません。

 人生の正午にいる人たち、青年期から壮年期に移る40歳ぐらいの人たちがそれ以後のキャリアを見いだせずにいる。自信がなくなってモチベーションが下がり、人材としての貢献度が下がっている。中間管理職にラッキーでなったとしても、管理が厳しくて自分たちの仕事を一生懸命やっていく状況におかれていない、権限が委譲されていない。

 さらに皆様の企業で、降格であるとかポストを引き下ろすとか、それが一体どれくらい行われているのかを考えていただきたい。極端ですけど、もし本来ひとりでもそこにいるべきでない人がそこにいるとすれば、人材の隠れたロスになります。なぜかというと、もしそこにベターなシフトするべき人間がいれば、成果があがるかもしれないということがあり得るからです。結果として、そこにいるべきでない人間がいるとすれば、そういう人たちのモチベーションも下がってくるわけです。

〔HR EXECUTIVE FORUM Vol.6 9/4講演【ミドルの戦略的活用による組織活性】より〕

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プロフィール

学習院大学 経済学部経営学科 教授 守島 基博 氏

学習院大学 経済学部経営学科 教授 守島 基博 氏

86年米国イリノイ大学産業労使関係研究所博士課程修了。人的資源管理論でPh.D.を取得後、カナダ国サイモン・フレーザー大学経営学部Assistant Professor。慶應義塾大学総合政策学部助教授、同大大学院経営管理研究科助教授・教授、一橋大学大学院商学研究科教授を経て、2017年より現職。厚生労働省労働政策審議会委員などを兼任。著書に『人材マネジメント入門』、『人材の複雑方程式』(共に日本経済新聞出版社)、『人事と法の対話』(有斐閣)などがある。

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