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次世代の経営人材をいかに育てるか(2/5)

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次世代の経営人材に求められるオープンイノベーション活用力

次世代の経営人材に求められるオープンイノベーション活用力

IOT、インダストリー4、ビッグデータ、オムニチャネルといった情報技術が、色々な業界のビジネスモデルを根底から変えるキーワードとなっています。従って、新しい世界の中で企業価値を生める次世代の経営人材には、情報技術を活用し、ビジネスモデルを変革していくことが求められていると言えます。

また、このランキングを別の切り口から見ると、自然科学から人間科学への成功要因のシフトが浮かび上がってきます。電気、機械、化学、物理の知見ではなく、人間が何に喜びを感じるのかを考える人間科学で勝つ企業が明らかに増えてきているのです。例えば、アップル、コカ・コーラ、スターバックス、サウスウエスト航空、ナイキなどの企業です。これは情報技術の発達により、自然科学による知見は検索して簡単に入手できる時代になる一方で、人が何に喜びを感じるかは検索では分からず、最初にこれを発見した企業が勝ち上がるようになったという環境の変化によるものです。

日本企業にとっての強みは、これまでハードウェアの知見でしたが、これからはそれだけでは勝てません。ソフトウェア、サービス、コンテンツを組み合わせたビジネス全体のプラットフォームをどう考えるかが、企業価値を生む上で重要となります。こうした問題は、1社だけでは解決できません。エコシステム、オープンイノベーションという言葉がよく聞かれるようになりましたが、複数の企業が関わり、業種横断的な協力関係を作りながら問題を解決することが求められるようになってきています。これは情報通信事業だけではなく他の産業においても言えることです。

それに伴い、業界構造もオープン化しており、世界中の情報通信クラスタが網の目のようにつながって機能するようになっています。情報通信業界の産業クラスタのマップでは、半導体、情報通信機器、インターネットサービスのセンターがアメリカのシリコンバレーなら、暗号や高速ネットワーク通信のセンターはイスラエル、ソフトウェアはインド南部の諸都市、ハードウェア製造は台湾となっています。こうしたオープンな業界構造の上に企業が乗っかり、エコシステムを作ってビジネスを展開しています。自動車業界も、自動運転という情報技術が入り込み、今やトヨタが一番重要視するのは他の自動車会社ではなくグーグルになってきています。

このような環境の変化から、次世代の経営人材には、今までと違った戦い方が求められます。社内で集まってブレストをやるのではなく、外に出て色々な企業とオープンイノベーションに取り組む能力が求められます。


〔経営プロサミット2015 6/1講演【次世代の経営人材をいかに育てるか~新しい経営環境の中で企業価値を高められる人材とは~】より〕

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プロフィール

ヘイ コンサルティング グループ<Br>代表取締役社長 高野 研一 氏

ヘイ コンサルティング グループ
代表取締役社長 高野 研一 氏

日本の大手銀行でファンドマネジャーなどを経験した後にコンサルタントに転進。現マーサー・ジャパン取締役などを経て、2006年10月にヘイ コンサルティング グループに参画。2007年10月より代表取締役社長に就任。
日本企業の経営改革とグローバル化を支援。特に、コーポレートガバナンス、ビジネスリーダーの育成とアセスメント、グループ経営、組織・人材マネジメントに関する戦略・実行支援などに豊富な経験を持つ。メーカー、金融、商社、小売などほぼ全業種にわたりコンサルティングサービスを提供。多くのクライアントからの信頼を得ている。ヘイグループでは、日本・韓国のマネジメントを担うとともに、ガバナンス・コミッティーのメンバーを務める。
神戸大学経済学部卒業、ロンドン・スクールズ・オブ・エコノミクス(MSc)修了、1992年6月 シカゴ大学ビジネススクール(MBA)修了。
著書 『超ロジカル思考』(日本経済新聞社)、『ビジネスリーダーの強化書』(日本経団連出版)、『勝ちグセで企業は強くなる』『グループ経営時代の人材マネジメント』(ともに東洋経済)他、講演・執筆多数。

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