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「SmartNews」が描き出す21世紀のメディア産業(1/5)

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インターネット人口の増加に合わせ利用が広がるモバイルへ特化

インターネット人口の増加に合わせ利用が広がるモバイルへ特化

スマートニュースは、通常からすると特異な会社です。国内外のベンチャーキャピタルから50億円以上の資金を調達し、創業3年ほどに過ぎないながら、世界展開を推進しています。プロダクトはひとつ、スマートフォンおよびタブレット向けのニュースアプリである「SmartNews」です。全世界で1,300万ダウンロードを超えています。

スマートニュースでは、創業者である鈴木健と浜本階生の2人が共同CEOを務めており、いずれも出身はエンジニアです。鈴木は、未踏ソフトウェア創造事業に採択され「天才プログラマー」に認定される一方、現在も東大の研究室に在籍中で、社会思想関係の著作も持っています。彼は現在、事業とプロダクトのビジョンづくりから経営全般に携わっています。一方で浜本は、いわゆる“フルスタックエンジニア”です。つまり、ソフトウェア開発において、ユーザーが直接触れるアプリから、その背後で大規模なデータを処理するサーバー分野までと、全ての階層にわたって超一流の仕事ができます。SmartNewsのユーザーインターフェイスは使い勝手に大変にこだわったものですが、これは初期において、彼一人で創り上げました。当社にはデザイナーという職種は存在せず、デザインもエンジニアが行っているのです。2012年6月にこの2名が会社を創業し、同年12月にSmartNewsをサービスインしました。私が参画したのは2013年春です。現時点で、日本と米国合せて50名強の社員でひとつのプロダクトを開発し運用しています。

全世界人口は74億人で、全世界のインターネット総人口は30億人とされています。一方で、スマートフォンは全世界で20億台とも30億台とも言われます。インターネット人口はたいへんな勢いで伸びており、その人口の比重がスマートフォンに移行しているというのが現状です。つまり、世界中の人々が、スマートフォンとインターネットを通じてつながろうとしているのです。これから10年は、世界中がスマートフォンとインターネットでつながるというという意味で拡大する市場があります。スマートニュースの関心は、国内ではなく、世界のスマホユーザーにサービスを提供することにあります。現在はそこに向かって事業を拡張しているところです。

SmartNewsには、2つの大きな特徴があります。1つは人々をつなぐ媒介となるモバイル、スマートフォンに最適化していることです。パソコンは、今や古びたものとなりつつあります。我々はより人に近いところにあり、今後も爆発的に成長するであろうモバイルに向けて機能や使い勝手を最適化します。もう1つは、アルゴリズムによって世界中から多彩で価値あるニュース(コンテンツ)を見つけだしていることです。アルゴリズムとはソフトウェアのことで、これにより上質な情報を抽出し、必要とする人に届ける大規模かつ精度の高い仕組みを、クラウド上に大規模に構築しています。その結果をモバイルという小さなデバイスに届けているというわけです。


〔経営プロサミット2015 6/2講演【「SmartNews」が描き出す21世紀のメディア産業~ダイナミックに世界をめざすスタートアップの技術・人材経営~】より〕

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プロフィール

スマートニュース株式会社 執行役員<Br>シニア・ヴァイス・プレジデント 藤村 厚夫 氏

スマートニュース株式会社 執行役員
シニア・ヴァイス・プレジデント 藤村 厚夫 氏

90年代を、株式会社アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エム株式会社でコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。 2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、株式会社アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディア株式会社の代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。 2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

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