経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

イベント・講演録

持続的成長への挑戦(3/4)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3つの連鎖と9つの結節点が組織を自己変革させる

3つの連鎖と9つの結節点が組織を自己変革させる

では、自己変革できる組織になるためにはどうすれば良いのでしょうか。それには3つの連鎖があります。つながることは大事です。断絶により改革が失敗するためです。つながりをどうもたらすかが、組織の持続的な変化で必要なことです。

1つ目の連鎖は過去、現在、未来の「時間軸の連鎖」です。10年先の長い未来と目の前の今を連鎖させます。2つ目は「市場との連鎖」です。平時から変われるためには、外の変化を中にリンクさせ、取り込まないといけません。3つ目は「組織内の連鎖」です。現場と経営、あるいは部門間でどう隔たりを埋めるかを担保して、変革を継続することが持続的な成長につながります。

連鎖を具体的にどうつくるのかについて、事例を交えてお話します。実務的には、結節点といえるものがそれぞれ3つずつあります。1つ目の時間軸の連鎖の結節点として、時間軸を越える上でまず重要なのは、普遍的な価値観を持っていることです。長寿企業に聞くと、理念やコアバリューが価値観を長年継続させるベースの考えとなり、それが価値観のつながりになります。自らの存在意義を定義した理念、経営哲学をいかに維持するかが大事です。2つ目は、リーダーのつながりです。オーナー系の企業で、創業者の三代目がうまくいかないとします。あるいはオーナーが20年、30年経営してもバトンタッチできません。このためには、リーダーが理念を継続させなければいけません。リーダーをどうつなげるかで考えるのが、3つ目の、マネジメントサイクルのつながりです。そこでは、PDCAを経営のどういう時間軸で回すのかを考えます。

2つ目の市場との連鎖で、1つ目の結節点は顧客とのつながりです。自らが相手にするお客さまと持続的な関係を作ります。2つ目は株主、従業員、社会など、ステークホルダーとのつながりです。3つ目は社会に対して出す利益のつながりです。利益のつながりは大事で、利益無くして将来の投資はありません。投資がなければ時間軸を越えられません。利益のつながりは、時間軸、市場の連鎖をつなぐためにも大事な要素です。東京エレクトロンの東社長は利益の捉え方について「利益はお客様が付加価値を認めてくれた『証』である」と語っています。利益は儲けであり、結果としてついてくるもの、とも言われます。しかし利益は顧客の評価の証であるから、利益は最初から目標にすべきものと考えます。

3つ目の組織内の連鎖における結節点の1つ目は意思決定のつながりです。変革するなら組織が一枚岩でないといけません。そのためには、まず上が一枚岩にならねばなりません。伸びている会社は、役員同士、密な関係を持っています。役員がバラバラに派閥争いをしているようだと長続きしません。2つ目は経営と現場のつながりです。3つ目は組織横断のつながりです。縦割りではなく横串にし、一体化してフラットにします。
3つの連鎖、9つの結節点を満たしている会社が、自己変革を可能にするのです。


〔経営プロサミット2015 6/5講演「持続的成長への挑戦~組織の自己変革力をもたらす「3つの連鎖」~」より〕

お気に入りに登録

プロフィール

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社<Br>パートナー Strategy&Operationsリーダー<Br>中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科 客員教授<Br> 松江 英夫 氏

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
パートナー Strategy&Operationsリーダー
中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科 客員教授
松江 英夫 氏

「経営変革」に関わる戦略・組織領域のテーマ(成長戦略、M&A、経営統合、イノベーション、グローバル組織再編)などを多数展開。主な著書に今回の講演をテーマを事例やインタビューとともに掘り下げた新著『自己変革の経営戦略 - 成長を持続させる3つの連鎖』のほか『クロスボーダーM&A成功戦略』『ポストM&A 成功戦略』(ダイヤモンド社)、『経営統合戦略マネジメント』(日本能率協会マネジメントセンター)など。中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科 客員教授。事業構想大学院大学 客員教授。

関連記事

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら