経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

イベント・講演録

持続的成長への挑戦(1/4)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
組織改革がうまくいかない理由は断絶にある

組織改革がうまくいかない理由は断絶にある

持続的に成長できる企業とは、変革し続ける企業のことです。そこでは、平時から自ら変化できるかがポイントになります。

変革がうまくいかないプロジェクトには3つの共通点があります。1つ目は「またか」という失望感です。上が変わるたび、また変革プロジェクトをやるのかというもの。2つ目は、スピード感がないことです。たとえば、変革のため新製品を開発しようとしても、内向きの調整に追われ、出した頃には競合がすでに出してしまっているというようなことが挙げられます。3つ目は「やらされ感」があること。一番分かりやすいのが、上が言うからやるという心理状態に陥ってしまうことです。

変革が頓挫するのは、断絶があるからです。断絶を3つの共通点と紐づけるとまず、「またやるのか」「過去やったのにこの先またやるのか」という過去、現在、未来に向けて「時間軸の断絶」がある、と言えます。また、内向きの根回しに時間がかかっている間に外部と内部との間に「市場の断絶」がおき、外と断絶している間に、改革そのものも内向きとなり、結果的には通用しない製品しかつくれなくなります。やらされ感は、「組織内の断絶」が原因です。上がやるから、隣の組織がやるから、やらざるをえないと強制的に主体性なくやらされています。これらが長年、私がコンサルティングの現場で企業と苦しみながら改革を進めた経験の中で、うまくいかないときの実感値として持っている教訓です。

変革というと、ビフォーアフターが変わる、ドラスティックな構造改革がイメージされやすいです。過去からの決別、というとドラマチックです。しかしこれは一過性の変革であり、外圧、有事で変わるケースがほとんどです。銀行から言われたから、債務超過だからやらざるを得なくて改革します。そのような構造改革を行った企業がそのまま成長しているかというと、必ずしもそうではありません。また、壁にぶつかってもう一度構造改革をやっているということも稀ではありません。一過性の構造改革では持続的成長できないのです。

持続的成長をもたらす変革とは、「劇的な変化はないが、継続的に変化すること」です。平時に、自主的に改革します。過去と決別するというより、過去に学び継続していくというのが持続的な改革であり、それが持続的成長につながります。

〔経営プロサミット2015 6/5講演「持続的成長への挑戦~組織の自己変革力をもたらす「3つの連鎖」~」より〕

お気に入りに登録

プロフィール

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社<Br>パートナー Strategy&Operationsリーダー<Br>中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科 客員教授<Br> 松江 英夫 氏

デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
パートナー Strategy&Operationsリーダー
中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科 客員教授
松江 英夫 氏

「経営変革」に関わる戦略・組織領域のテーマ(成長戦略、M&A、経営統合、イノベーション、グローバル組織再編)などを多数展開。主な著書に今回の講演をテーマを事例やインタビューとともに掘り下げた新著『自己変革の経営戦略 - 成長を持続させる3つの連鎖』のほか『クロスボーダーM&A成功戦略』『ポストM&A 成功戦略』(ダイヤモンド社)、『経営統合戦略マネジメント』(日本能率協会マネジメントセンター)など。中央大学ビジネススクール大学院戦略研究科 客員教授。事業構想大学院大学 客員教授。

関連記事

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら