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ライフネット生命のダイバーシティ戦略(3/5)

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イノベーションのほとんどは当たり前のものの組み合わせ

イノベーションのほとんどは当たり前のものの組み合わせ

一方、ミクロではどうかといえば、生産性を上げるためには人と違うことを考えるしかありません。ライフネット生命本社の近くに数年前にラーメン屋ができました。もうじき3店舗になります。わずか2年でミシュランにも載りました。このラーメン屋の店主に話を聞きましたが、開業前、評判のいいラーメン屋を食べ歩いたら、どこも入っているのが男性客ばかりだと気づいて、女性客が来てくれるラーメン屋をつくったら売上が倍になると考えたんだそうです。それで女性向けに考案したメニューがベジソバです。真っ赤なラーメンで、ニンジンのピュレとムール貝が入っています。店主の思惑通り、この店は女性に大人気で、ベジソバはミシュランにも載ってます。

 何が言いたいかというと、2つです。1つ目は、イノベーションというのは賢い人がものすごく考えて起こすものだと思いがちですが、そうではないのです。世の中のイノベーションのほとんどは、当たり前のものの組み合わせです。ニンジン、ラーメン、ムール貝、ありふれたものですね。でも、この3つを組み合わせた人がいなかったのです。

 2つ目は、この店主の趣味は食べ歩きで、世界中の人が食べてるものを全部食べることが夢で、ベルギービールを飲みながらムール貝もいっぱい食べていたのです。ムール貝を食べたことがない人に、ニンジンと合わせようという発想は生まれますかということです。つまり、人と違うことを考えようと思ったら、いろいろなことを知ってるかどうかということがキーポイントになるのです。平たく言えば勉強です。
 大人の勉強を、僕は人、本、旅と呼んでますが、たくさんの人に会って話を聞く、たくさん本を読んでインプットする、現場に出かけていって体で覚える、これ以外ないですよね。ところが、悲しいことに人間は勉強が嫌いです。なまけものです。ひとりではなかなか勉強できません。そこに、ダイバーシティの重要性があると思います。

〔経営プロサミット2015 6/4講演「ライフネット生命のダイバーシティ戦略 ~多種多様な人材が創るイノベーションを目指して~」より〕

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プロフィール

ライフネット生命保険株式会社<Br>代表取締役会長 兼CEO 出口 治明 氏

ライフネット生命保険株式会社
代表取締役会長 兼CEO 出口 治明 氏

1948年三重県生まれ。京都大学を卒業後、1972年に日本生命保険相互会社に入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当するとともに、生命保険協会の初代財務企画専門委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て、同社を退職。2006年に生命保険準備会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年の生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社を開業。2013年6月より現職。

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