女性活躍推進を目指すビジネスカンファレンス『MASHING UP』レポート

2018年2月22日~23日、TRUNK(HOTEL)(東京都渋谷区)にて、株式会社メディアジーン主催、女性活躍推進を目的とした学びとネットワーキングイベント「MASHING UP」が開催された。「誰もが強くしなやかに活躍できる社会創出を目指す」というスローガンのもと、時代をリードするスピーカー陣が集まり、多彩なセッションやワークショップが繰り広げられた本イベント。本記事では、経営プロ編集部によるイベント参加レポートをお送りする。

「MASHING UP」開催の背景

イベント名の元となる英語「mash up」は、「混ぜ合わせる」という意味。つまり、『MASHING UP』とは、異なる性別や年齢、国籍、業種などを混ぜ合わせることで、ビジネスや働き方に役立つ新たな化学反応を生み出そうというプロジェクトだ。

近年、女性活躍推進の取り組みは目に見えて増加している。しかし、その取り組みを行うコミュニティの多くは、混ぜ合うどころか、業種や年齢、国籍によって分断されていたり、女性のみで構成されていたりするのが現実だ。こうした課題を受け、本イベントの主催者である株式会社メディアジーンは、以前(2016年12月)にも、外務省 国際女性会議『WAW! 2016』の公式サイドイベントとして、『Women Empowerment Forum(WEF)』を開催している。今回の『MASHING UP』は、このWEFのコンセプトを継承したものだ。

また今回は新たに「Unleash Yourself (自分自身を解き放とう)」というテーマを設定している。これは性別や年齢、人種など、時に障壁となりうるさまざまなカテゴリーから自由になり、新しい可能性を見出すことを意味している。つまり、ここでのセッションやワークショップを通じて、参加者が新たなインスピレーションを得るとともに、ネットワークを築き、未来のビジネスを創出する場にしてもらいたいということだ。
女性活躍推進を目指すビジネスカンファレンス『MASHING UP』レポート

全39のセッション、国内外から70名以上のスピーカーが登壇

イベントは、TRUNK(HOTEL)にある3つの会場を借り切って実施。ビジネスカンファレンスとはいえ、会場はお洒落で親しみやすい内装が特徴的だった。両日とも13時にオープニング、18時までセッションが行われた。1セッションはどれも30分~50分程度。スピーカー数は国内外から70名以上、セッション数は39にも上った。特に、海外からのスピーカーによるセッションに注目が集まっていたようだ。

フェミニスト的セックストイを開発したMIT出身の女性エンジニア、ジャネット・リーバーマン氏と、気鋭のアーティスト スプツニ子!氏による対談「NYミレニアル世代女子が作った! 社会を変える「女性のための」プロダクト」は、性に対して積極的になることがためらわれがちな女性に対し、新鮮なメッセージを発信する内容で、参加者の関心も高かったようだ。
女性活躍推進を目指すビジネスカンファレンス『MASHING UP』レポート
そのほかにも本イベントでは、働き方やテクノロジー、女性の恋愛、ヘアメイク・スキンケアについてなど、実に幅広いジャンルのトークセッションが行われていた。

参加者がどのセッションに参加するかについては、登壇者から気になるものを選ぶのはもちろん、積極的に自分でテーマを決めて選んでいる人も多かったようだ。自分が働き方に興味があるのか、女性によるビジネスに興味があるのか、そして働き方についても、リモートワークをしたいのか、フリーランスになりたいのか、あるいは起業をしたいのかといった独自の視点を持って、主体的に参加している来場者が多い印象を受けた。

また、本イベントはトークセッションに加え、メンタリングセッションが行われていたのも特徴的だったといえる。メンタリングセッションでは、キャリアやプライベートについて、各ジャンルの一人者である8人のメンターから、アドバイスをもらえる。さらに18時以降は、ネットワーキングパーティと題して、登壇者や参加者同士で直接交流を深められる機会も設けられていた。
女性活躍推進を目指すビジネスカンファレンス『MASHING UP』レポート
そのほか、各会場手前のスペースでは、スポンサー企業によるエキシビションがあり、空き時間も有意義に過ごせるようになっていた。1階は、マイクロソフト社とスチールケース社のコラボレーションによる、創造型オフィス空間「クリエイティブ スペース」の体験コーナー。2階は、スキンケアブランド『雪肌精』の最高級ブランド体験コーナーと、グローバルEコマースプラットフォームFar fetchによるカフェスペース。3階は、ダイソンによるヘアドライヤーの体験コーナーとなっていた。

参加者は女性中心、フリーランス希望者や起業希望者も

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イベントは2日間のべ820名を動員、参加者は女性が目立ったが、なかには男性の参加者も見られた。あるセッションでの挙手制アンケートで、参加者のほとんどが企業勤務者であることが明らかになったが、フリーランスになりたい人、副業を始めたい人、起業したい人なども若干名いたようだ。

セッション中はラップトップPCなどで熱心にメモを取る姿も見受けられ、セッション終了後は、スピーカーに質問をしたり、スピーカーと名刺交換をしたりしている姿も多く見られた。参加者一人ひとりが、女性活躍推進や新しいビジネス、働き方について、お仕着せではなく真に自分自身の問題と認識し、積極的な学びを得ようとしている姿勢が見て取れたイベントだった。