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クオリティフォーラム2017 企画セッション「進化する自工程完結~自工程完結に学ぶホワイトカラーの業務品質向上~」 パネルディスカッションレポート

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働き方改革実践のためには、トップのリーダーシップが必要

働き方改革実践のためには、トップのリーダーシップが必要

森氏:4つ目に、「トップマネジメント層の意識改革」について、ご意見をお願いします。

大塚氏:弊社では、ワーク・ライフバランスの取り組みをする際には、必ずトップと戦略を練りますし、トップだけを集めて必要性を討議することもあります。そのときに必ず伝えるのが、「まず、トップがワーク・ライフバランスをとってください」ということです。トップ自らが背中を見せてくれることが重要であるためです。

人口ボーナス期型のルールからオーナス期側のルールに飛び移るとき、後者は目の前に見えてはいますが、実際飛び移るのにはしり込みする人が大半です。そんななか、「うちの会社のトップは飛び越えたんだ」と従業員が感じれば、従業員自身もワーク・ライフバランスに取り組もうという意識が芽生えると思います。意識改革だけでなく、行動を起こして、新しいワークスタイルや価値創造に対する姿勢を見せるよう、そのようにトップにはお願いしています。

森氏:イビデン社では、自工程完結の取り組みを行うことについて、事務局から社長を説得したのでしょうか、それとも、社長のリーダーシップによって始めたのでしょうか。

山中氏:最初から社長は、「働き方改革」につながる取り組みとして“自”工程完結を浸透させたいという想いがありました。社員一人ひとりのモチベーションアップが社長の狙いで、それと日常での自工程完結の取組み方がぴったりはまったのが大きかったと思います。

自工程完結によるホワイトカラーの生産性向上には、評価軸の客観化が重要

森氏:最後に、全体を通じてコメントをいただけませんでしょうか。

佐々木氏:ホワイトカラーにおける生産性向上をやっていく中で難しさは、アウトプットの評価軸にあると思います。ライン業務には原単位があるため、生産性について論理的に評価できます。一方、ホワイトカラーの仕事は、評価の個人差が大きい。だから、これまでは残業時間など、「時間」という誰から見てもわかる単位でアピールしていたところが大きいでしょう。これからは、大塚さんのお話にあった「朝メール・夜メール」などでデータを蓄積し、アウトプットの相場観をそれぞれの組織で作り上げていくことが、生産性を上げるために重要になるのではないでしょうか。

大塚氏:働き方を変える際には、その先にある、いい未来を意識することが大切だと思います。働き方を変える目的については、危機感だけでなく、「こういう仕事の仕方ができたら楽しい」というポジティブなところを語り合うところからスタートするのがよいのではないでしょうか。さまざまな社会状況の変化やそれに伴う困難はありますが、仕事で価値を出すことの楽しみが重要だと考えます。

山中氏:弊社におけるGood JC活動は、まだスタートしたばかりです。自工程完結の考え方は、頭では理解できるが、それを行動に移すことは難しいと実感しています。トップになればなるほど、業績重視の考え方になり、社員一人ひとりにおける困りごとの優先順位が下がってしまうのが課題です。そこを長い目で見て変えていく必要があると考えています。

森氏:もともとトヨタが始めた自工程完結は、「失敗しない仕事の仕方を追求しよう」という考え方です。失敗しなければ、結果的に手戻りがなく、生産性向上につながります。今回の講演とパネルディスカッションでは、そうした「失敗しない」と言い切れる仕事の仕方を追求する自工程完結こそが、ホワイトカラーの生産性向上に結び付く、という道筋を確かめられたのではないでしょうか。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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