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イベント・講演録

クオリティフォーラム2017 企画セッション「イビデンにおける日常業務での自工程完結の実践~社員が嬉しさを感じることができることをめざした取り組み~」

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山中 恭一氏
イビデン株式会社
理事 生産推進本部副本部長 兼 CSR推進室長

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本講演は、日本科学技術連盟主催の、「クオリティフォーラム2017」
における講演内容をまとめたものです。
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電子関連事業、セラミック事業を手掛けるイビデン株式会社は、働き方改革やワーク・ライフバランスの推進に組織的に取り組んでいる。たとえば、「遅くとも19時までには帰宅できるようにしましょう」といった啓発活動がその典型的な内容だ。とはいえ、何の対応策もなく実現できることではない。そこで、生産性を上げる一つの手段として、日常業務での自工程完結の実践に取り掛かった。

2016年度における取り組みと課題~組織内の温度差・レベル差が生じた初年度

同社では、2015年下期から準備を始め、2016年4月から本格的に自己工程完結の取り組みを開始した。アウトプット品質を高め、お客様・後工程の満足度を向上させることが、目的として掲げられている。推進組織として事務局を設立し、部門ごとに推進リーダーを任命するなど、全社あげての取り組みとなっている。

製造部門においては、従来からTPM(Total Productive Maintenance)を基軸とした活動を行っているため、それを維持継続する方向性で進めた。一方、間接部門では、業務をみえる化・標準化し、それを遵守することを目指した。そこにさらに自工程完結の考え方をプラスし、生産性を2倍に向上させることを目標としている。

具体的な活動としては、始めに、社内で勉強会を行ったのち、ロードマップの策定、取り組み方の設定を行った。その後、業務改善テーマの設定方法を検討している。これは社内において、自工程完結の考え方を定着させるのが狙いだった。

しかし、2016年8月、9月ごろからすでに課題が現れ始める。まず、従来から行ってきた業務改善のテーマ活動との差別化が困難だ、という声が上がった。これに対して事務局は「お客様を意識して仕事をしてください」という精神論でしか回答できなかった。また、組織のなかで取り組みに対する温度差・レベル差も生じてきた。

これらへの対応としては、トップと推進責任者で定期面談を行うとともに、管理者の部下への指導方法を見直すことによって、社員一人ひとりへの浸透を目指した。さらに、製造部門と推進部門を分けて推進するなど、体制の見直しも行った。

そのような対応をしている中で、目的に沿った正しい方向へ大きく舵を切り直す必要性が出てきた、と山中氏は述べる。

仕事というものは、どうしてもやることそのものが目的になってしまうことが多い。その場合、仕事がアウトプットの本質的な目的を持たない作業になってしまう。そこで、次のようなイメージを持って、正のスパイラルを作っていきたいと考えた。

1.「やり直しが多い」「手間がかかる」「工数が多い」といった従業員一人ひとりの困りごとを把握する。
2.困りごとに対し、「無駄な作業をやらない」「簡易化する」といった自工程完結の考え方を活かして取り組む。
3.時間の余裕ができ、従業員一人ひとりが仕事についてじっくり考えられるようになる。
4.仕事の質が向上し、上司に褒められたり、顧客に喜ばれたりする。
5.従業員が仕事のやりがいを感じられるようになり、次への挑戦につながる。

以上のような取り組みができているかどうか、事務局が各従業員にヒアリングを行ったところ、できていない現状が明らかになった。

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