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世界に通用するリーダーをつくる

第4回  なぜ日本にはリーダーが育ちにくいのか、どうすれば育てられるのか ~診断篇~

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3. 思考・行動のパターンから見る日本人の強みと弱み

 世界各国から社員が集まってワークショップや会議が実施されるとき、あるいは各国のメンバーからなるプロジェクト業務が行われる場面で、筆者がどの企業においても共通に見てきた日本人の行動パターンがある。それは、①自身はそのテーマや問題を深く考えているが、自ら発言して共有したり質問することは極めて少ない、②細部にこだわり正確さを追求する一方、できない理由に先に目がいき否定的な見解を出しがちになる、③役割が与えられると真面目に献身的に実行するが、自ら手を挙げて人に呼び掛け行動を起こそうとすることはあまりない、ということである。これは良い悪いでなく、あくまで強み弱みの問題である。ただしリーダーシップと結びつけて考えると、日本人のパターンは分が悪い。
 なぜこうした思考と行動になる日本人が多いのだろうか。日本のカルチャーが根底にあるのは言うまでもない。それを背景とした子供に対する教育の在り方が大きな影響を与えている。学校の授業は小学校から大学に至るまで、先生が前に立って講義を行い生徒はそれを正確に理解するという形が主流で、欧米のように生徒同士が議論して学び合うスタイルは少ない。また、例えば猛暑の中で全校集会が行われるなか、気分が悪くなって倒れる生徒が出たとしよう。そこで先生や皆に向かって「今日は外での朝礼はやめよう」と切り出す生徒はまずいない。仕方ないとあきらめるか、先生や生徒会長が言い出さないかと待っているのかもしれない。こうした教育を受けて育った日本人によって構成される日本の企業においては、この思考と行動のパターンがデフォルトとなり組織の同質化はますます強化される。そのような集団において、デフォルトと違った行動となるリーダーシップを発揮するチャンスが少なくなるのは自然なことかもしれない。

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プロフィール

株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン 人事本部長 水上 雅人 氏

株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン 人事本部長 水上 雅人 氏

1984年関西学院大学経済学部卒業。同年よりレンゴー株式会社にて人事部、米国駐在、海外業務部を歴任。その後、日本トイザラス株式会社人事部マネジャーを経て1998年日本エリクソン株式会社に入社し、2002年人事部長に就任。組織再構築を中心にビジネスに軸を置いた人事施策の立案と実行に注力。2011年住友スリーエム株式会社入社、人事本部人事ビジネスパートナー部長就任。2012年12月に株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン人事本部長に就任し、組織の変革とビジネスを支える人事施策の推進・実行に取り組む。

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