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ドラッカーが教える人材育成

第3回  自分の分身をつくってはいけない

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突然、責任と権限を与えても失敗する

 「部下に責任と権限と与えましょう」ということをお伝えしてきました。
 しかし、ある日突然、責任と権限を与えることは、自転車に乗ったことのない子どもを練習もさせずに自転車に乗せるのと同じです。いきなり自分の足で自転車をこぎなさいと言われても、すぐに転んでしまいます。自転車に乗ったことのない子どもであれば、はじめのうちは補助輪をつけて背中を押してあげたりするなどして、自転車のこぎ方を覚えるまで見守ってあげなければなりません。
 部下に権限と責任を与えて、仕事を全面的に任せるのもそれと同じことです。権限と責任を持って働いてもらうためには、ある程度練習が必要なのです。たとえ失敗しても大惨事には至らない程度の大きさの責任と権限を持たせ、その責任と権限を少しずつ大きくしていけばよいのです。ぜひ、あなたの部下の責任と権限を少しずつ大きくしてあげていってください。

比べず、焦らず、諦めず

 「成長する人には共通点があります。それは誰かの引立てがある。必ず目をかけてもらっているんです。人間、自分のことを信じ、伸ばそうとしている人がいると、本当に力を発揮します。元気も出ます。人は、こちらが信じれば、必ず答えてくれます」
 こう語るのは、1973年に開業した日本有数のお好み焼きチェーン、千房株式会社創業者中井正嗣社長です。採用に関しては、学歴、過去、学業成績など一切問わず、徹底して人柄を重要視しています。採用した人は「比べず」「焦らず」「諦めず」を信条として接してます。実際、優れた人材の育成に成功し、事業を伸ばしています。ぜひ、社員を引立て、社員に目をかけ、社員を信じ、社員の力を発揮していってください。人はコストではなく資産なのですから。

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プロフィール

トップマネジメント株式会社 代表取締役 山下 淳一郎 氏

トップマネジメント株式会社 代表取締役 山下 淳一郎 氏

1966年東京都渋谷区出身。外資系コンサルティング会社勤務時にドラッカーを実践するコンサルティングを行う。独国、米国で勤務。その後、中小企業役員と上場企業役員を務める。現在はトップマネジメント代表取締役として、上場企業をはじめ、様々な業種にわたる企業の経営チームに、ドラッカーを活用するコンサルティング、経営人材育成を目的としたマネジメント教育に携わる。一般社団法人日本経営協会専任講師。著書に『ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方』、「ITmedia エグゼクティブ」で『ドラッカーに学ぶ、成功する経営チームの作りかた』を連載。
ホームページ:トップマネジメント株式会社

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