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デール・カーネギーが贈る成功の秘訣

第20回  9ステップのイノベーションプロセス

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 アイデアはスピーディかつ上手に練ることが必要です。忙しい生活の中では、考える時間を作ること自体が貴重な資源になっています。「リーダーが熟知しているから、ただ指示に従えばよい」では失敗して当然です。チーム全体の頭脳と経験を活かすことが組織にとって必要で、リーダーの仕事はその豊かな能力を引き出すことです。テクノロジー企業にはこうしたイノベーションプロセスが定着していると思っている方も多いでしょう。いいえ!個別の研究開発部門はあるものの、総合的な指揮系統のないイノベーション企業が少なくありません。
 包括的で実践しやすく、スピーディな9ステップのプロセスをお教えしましょう。

ステップ1-視覚化。
 実現したい理想的な将来像である「あるべき姿」について、詳しく明瞭に考えることが必要です。簡単に聞こえますが、企業には関係部署が多くあり、理想像を実現するために関係部署をどのように動かせばいいかを視覚化することが必要です。時間、コスト、クオリティは常に対立関係にあります。間違った目標を選択しないよう、慎重に目標を定めます。

ステップ2-事実調査。
 「現状」を見極めデータを収集して出発点を定めます。これは測定を可能にするとともにブレーンストーミングを助ける重要なステップでもあります。ビジョンから優れたアイデアに一足飛びで進むことは非常に困難です。情報を集めてそれをたたき台にアイデア創出を行います。

ステップ3-問題または機会調査。
 現状と理想像は分かっているのに、理想像に達していない理由は何ですか? 何が立ちはだかっているのでしょう? このステップでは、私たちが直面している問題や機会を突き止め優先順位を付けることが求められます。その中心となるのは、「どうすれば可能になるか」という問いかけです。忙しい生活の中では優先順位付けのステップが不可欠です。全部をこなすことはできませんが、一番重要なことは実行できるので、それが何かを明確にすることが必要です。

ステップ4-アイデア探し。
 目的と行く手を阻んでいる理由を考慮し、ビジネスの重要な側面についての情報を呼び起こして、それをベースにクリエイティブな発想を行います。この時点で1つ注意が必要です。青信号の考え方が不可欠です。つまり、この時点ではアイデアを取捨選択するのではなく、たくさんのアイデアを出すことを目指します。様々なアイデアを出し、そこから最善のものを取り出すためです。あなたの知性に傷がつくような滑稽極まりないばかげたアイデアをグループの誰かが出したとしても、口出しは禁物です。ばかげたそのアイデアが他の人を刺激して、本当にクリエイティブで実用的なアイデアが生まれるかもしれないからです。この時点ではアイデアをつぶさず、とにかく引き出します。アイデアを書き出すよう全員に促してグループの前で発表し、進行役を頼りにアイデアを出し尽くします。

ステップ5-解決策探し。
 ここで赤信号の思考を使います。アイデアの質に注目して冷静に判断し、競合するアイデアの中でどれがベストか決定を下します。コンセンサス、投票、基準法(絶対vs理想的)、命令など、このプロセスの方法は数多くあります。問題に応じて変わることもあれば、企業文化も影響します。

ステップ6-同意。
 アイデアはただですが、アイデアを実践するには通常コストがかかり、ここで意思決定者の関与が必要になります。ユーザーを対象にテストするパイロットプログラムが必要だったり本格実施が必要になるかもしれません。いずれにせよ、経営陣の同意がなければ、これ以上の作業は無駄です。

ステップ7-実践。
 「現状」から「あるべき姿」への実践段階としてアイデアを行動に移します。これにはプランニングが求められます。詳細である必要はありませんが、書き出して任務に名称をつけきちんと期限を設定します。

ステップ8-フォローアップ。
各自の仕事をモニターすることに越したことはありません。「善意」だけでは物事は進まないので、自分の役割に対して各自に責任を持たせないと、プロジェクトがあらぬ方向に行ってしまいます。1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月後のフォローアップミーティングを開きます。

ステップ9-評価。
 出発点と目標が明確で、無事にプロジェクトを実施したのであれば、結果についても問題なく判断し評価できるはずです。単純に聞こえますが、最初があやふやで明瞭さが欠けていたために、最後の最後につけがまわることがあります。そのまま続けるのか、それとも成功に向けて路線を修正することが必要ですか?


 この9ステップはイノベーションの完璧な枠組みとしてチームの力を余すことなく引出し、ライバルを煙に巻くはずです。イノベーションの力でライバルに打ち勝つこと必至です。

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プロフィール

デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン 代表取締役  グレッグ・ストーリー博士<Br>(Dr. Greg Story)

デール・カーネギー・トレーニング・ジャパン 代表取締役 グレッグ・ストーリー博士
(Dr. Greg Story)

デール・カーネギーに参画するまで、インターナショナルな環境での人材育成研修を数多く経験してきた。まずアジアにあるAustrade社ではリージョナルトレーニングプログラムを企画し、このプログラムを拠点で実施展開するための社内インストラクターの養成も行い、そのためのプログラムも開発した。具体的には、ベトナム、台湾、香港、中国、韓国、そして日本で実施展開を行った。また新生銀行では、ジェネラル・マネージャーとして、新生ビジネススクール(新生銀行の社内ユニバーシティ)創設に尽力し、特に銀行のリテール部門における、製品知識や、セールス、マネジメント、リーダーシップそしてカスタマーサービスの研修に関する社内インストラクターの育成を行った。

デール・カーネギーのトレーナーとしてはデール・カーネギー・コース、アドバンスト・デール・カーネギー、セールス・アドバンテージ、リーダーシップ・トレーニング・フォー・マネージャーズ、ハイ・インパクト・プレゼンテーションの認定を取得しており、今まで貿易、金融、IT、リテール、官公庁、製造、教育等の産業にトレーニングを提供してきた。

デール・カーネギー・トレーニングは、企業が必要とする6つの分野にフォーカスしたカリキュラムを提供しています。
・チームメンバーエンゲージメント
・リーダーシップ開発
・プレゼンテーション
・プロセス改善とイノベーション
・セールス
・カスタマーサービス

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