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グローバル雇用…意外と知らないVISAのツボ

第6回  外国籍の方のアルバイト雇用編

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資格外活動許可の取得が必要となるケース

 技術・人文知識・国際業務VISA以外の就労VISAを保有している場合、資格外活動許可の取得が必要となるケースが多いです。また、技術・人文知識・国際業務VISAを保有している場合でも資格外活動許可の取得が必要となるケースもあります。
 例えば、以下のようなケースです。

【例1:教授VISA・教育VISA】
 教授VISAは大学等で教授・研究業務を行うことが認められている就労VISAです。また、教育VISAは高等学校・中学校など大学や大学院等以外の教育機関で教育を行うことが認められている就労VISAです。
 そのため、それぞれに認められた教育機関での業務以外に従事する場合、資格外活動許可の取得が必要となります。例えば教育VISAをお持ちの方が街の英会話塾で日本人に英会話を教えるアルバイトをする場合には資格外活動許可が必要です。
 逆に、日本企業で研究業務に従事していたり、経営コンサルタント等専門分野のエキスパートとして企業実務に従事している技術・人文知識・国際業務VISAをお持ちの方が、報酬を受け取って大学で講義を担当したり大学での研究活動に参加するような場合にも資格外活動許可を取得する必要があります。
 技術・人文知識・国際業務VISAは企業等での勤務が可能な就労VISAであり、大学等での教授・研究活動を行うことが認められていないためです。

【例2:企業内転勤VISA】
 企業内転勤VISAで従事可能な業務内容については、前回まででお伝えしたとおり、技術・人文知識・国際業務VISAとほぼ同様です。
 技術・人文知識・国際業務VISAとの大きな違いとしては、日本における勤務先が出向元海外法人と親子会社・関係会社など一定の人的資本的な関係を有することが要件とされている点です。
 そのため、企業内転勤VISAの方が出向元と人的資本的な関係性のない他の企業等でアルバイトを行う場合、資格外活動許可の取得が必要となります。

【例3:研究VISA】
 研究VISAは大学等以外の研究所などで研究業務に従事することが可能な就労VISAです。研究VISA保有者が大学等での研究業務を兼務する場合にも資格外活動許可が必要となります。
 逆に、大学等での研究業務に従事することが可能な就労VISAである教授VISAを保有している方が企業での研究業務を兼務する場合、資格外活動許可が必要となります。
 例1でご紹介のとおり、VISAにより就労先が限定されているためです。

 これまで幣所がご相談を頂きました事例をもとに、主だったものをご紹介しました。
 こちらに記載のないケースで判断に迷った場合、入国管理局か私達のようなVISA業務の専門家に念のためご相談頂くことをおすすめします。

 最後に、就労VISAをお持ちの方が副業に従事するため資格外活動許可を取得する場合の手続きについてご紹介します。
 手続き自体は、留学VISAや家族滞在VISAをお持ちの方が資格外活動許可申請を行う際と同様で、資格外活動許可申請書を作成し、入国管理局に申請を行います。
 留学VISAや家族滞在VISAの場合との違いは、副業の内容について説明した文書(契約書など)と本業の勤務先からの副業許可書などの書類の添付が必要となる点です。
 同じ資格外活動許可といっても、留学VISAや家族滞在VISA保有者が取得する資格外活動許可は「包括許可」となり、どこで副業するかが決まっていなくとも許可を得ることができます。週28時間以内の就労で風営法に規定されていない業務であれば、アルバイト勤務先などの情報を事前に入国管理局に届け出る必要はないということです。
 また、例えば月曜日はA社で飲食店スタッフのアルバイト、水曜日はB社で英語の家庭教師、土曜日はC社でイベント設営のアルバイトを行う場合でも、資格外活動許可は一つで対応できます。

 一方、就労VISA保有者の方が副業に従事するため資格外活動許可を取得する場合、個別許可となるため、副業ごとに資格外活動許可を取得する必要があります。
 本業の他にD社とE社で副業をするといった場合、合計2つの資格外活動許可を取得しなければなりません。

 幣所でも就労VISA保有者の方をアルバイトで雇用したいとお考えの法人様から資格外活動許可の申請必要性の有無及び申請必要書類についてご相談頂くことが時折あります。
 申請必要書類について、申請書以外は自由様式となっており、法務省ウェブサイト上にもサンプルフォームが掲載されていません。
 幣所では申請必要書類のドラフト提供も行っておりますので、就労VISA保有者の資格外活動許可申請でお困りの際は是非お気軽にお問合せ頂ければと存じます。

 さて、全6回で掲載させて頂きました【グローバル雇用…意外と知らないVISAのツボ】も今回で最終回となります。
 外国籍のエクスパット、採用内定者等の雇用・受入をご検討の法人様側のアドバイザーとして外国人雇用相談・就労VISA申請サービスを提供しております弊所の実務経験を踏まえて、エクスパットの方の受入、外国籍の方の新卒・中途採用・アルバイト雇用という頻出の場面におけるVISA申請上の注意点についてご紹介させて頂きました。

 日々実務を通じて感じていますが、VISA申請は雇用する外国籍の方の学歴・経歴、業務内容、労働条件、雇用・受入する側の法人の財務状況等により1件ごとに書類記載内容や準備すべき書類が異なります。
 スムーズに就労VISA等を取得するためには、申請前の準備が肝要です。
 全6回の連載の記載内容に限らず、ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
 雇用・受入法人の皆様の事業拡大の一助となれれば誠に光栄です。

 幣所連載をお読み下さり誠に有難うございました。

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プロフィール

行政書士大東法務事務所(Daito Immigration Attorney Office)代表 / 申請取次行政書士 大東 圭 氏

行政書士大東法務事務所(Daito Immigration Attorney Office)代表 / 申請取次行政書士 大東 圭 氏

2005年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。
外資系生命保険会社勤務を経て、VISA・外国人法務サービスに特化した行政書士大東法務事務所を開設。
主に外国人雇用・海外からの出向者受入をご検討の外資系法人・国内法人向けに、雇用・受入をなさる外国人の方の就労VISA申請代行・相談サービスを提供。
行政書士資格のほか、社会保険労務士資格・実用英語技能検定準1級を保有。
ホームページ:行政書士大東法務事務所

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